京阪電車の2階建て車両で階段下に酔客が転落し補助席女性が重度障害

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京阪電鉄の2階建て車両に乗車中に起きた車内事故で重度障害を負った女性が、加害男性と京阪電鉄を相手取って2億4千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたと報じられています。

画像はイメージです(出典:鉄道画像工房 http://www.uraken.net/sozai/railstation/uraken14/kabegami.html)

2階建て電車で酔客が転落、階段下補助席の女性直撃で重度障害 女性が京阪電鉄を提訴 「安全確保怠った」 

訴状によると、女性は昨年2月24日夜、京阪電車の2階建て車両(ダブルデッカー車両)の階段下にある補助席に座っていたが、走行中、酒に酔っていた男性が階段上から転落し、女性の頭にぶつかった。女性は頸椎(けいつい)骨折などで約半年間入院。左半身を中心にまひなどの後遺症で生活に支障が出ているうえ、外出には電動車いすが必要となった。会社も退職を余儀なくされたという。

出典:産経新聞

http://www.sankei.com/west/news/171106/wst1711060033-n1.html

このニュースに関しての率直な印象は、「タチの悪い酔客が、何の罪もない赤の他人の人生を狂わせやがって怪しからん」というものです。酔った際には車さえ運転しなければいいというわけではなく、公共交通機関を使うからには、酒量をコントロールすることで防げるはずの自己の落ち度で他人にあからさまに迷惑をかけていいというわけでは決してありません。過度に酔っぱらって千鳥足になったり酩酊したりすることで、例えば車内での転倒や、駅ホームからの転落、ホームで吐しゃ物(ゲロですね)をまき散らす等々、自分が怪我したり命を落としたりするリスクだけでなく、他人にも迷惑をかけ、最悪の場合は相手に身体的な危害を加える「歩く凶器」となりうることを自覚すべきだと思います。ですので、この加害男性には相応の賠償責任があるのは明白でしょう。

2階建て車両の階段下に補助いすを設置していた京阪電鉄については、全く悪気はないはずです。混雑時に一人でも多く座れるようにとの配慮から設置したのでしょうし、車内スペースの有効活用という観点があったのだと思います。また、座っていたから危険というわけではなく、階下に立っていたとしても、2階から酔客が落ちてきたら、巻き添えを喰らう可能性があるわけですから、階下に補助席を設置したことが、直ちに責められる性質のものではないようにも思います。

一方で、階下に乗客が立っていた場合には、基本的に立ったまま寝る人は少ないわけですから、上から人が落ちてくる気配を感じて咄嗟に回避することも可能だと思います。しかし、補助席を設置していたということは、その場で本を読んだり、眠ってしまったりして、上から人が落ちてきた場合に咄嗟の回避行動ができない恐れもあると思います。そういう点を考えますと、あと少しだけ、安全性に対する「念のため」という用心、例えば、階下の補助席で眠ってしまった人に、階段から人が落ちてきたらどうなるか、という点への思いがあればよかったのかなと思います(※この事故での被害女性が眠っていたかどうかは不明です)。

とはいえ、京阪電鉄に限らず鉄道会社は、酔うと千鳥足になったりして転倒や転落の危険性があるので注意するようにと張り紙や案内放送で呼びかけるなどの啓蒙をしています。それでなくとも「酔っぱらったらふらつく」「飲みすぎると記憶が飛ぶ」というのは多くの人が分かっていることであり、その状態で不特定多数の人々が利用する鉄道会社にとっては、不測の事態が起きてしまわないかと気が気ではないと思います。ですので、個人的な主観を言わせていただければ、京阪電鉄に今回の事故の直接の責任はないように思います。ただ、あと少しの配慮があれば防げたかもしれない事故かもしれないとは思います。

もちろん、これはあくまで結果論ですし、単なる無責任なタラレバ話にすぎないのですが、突如として酔っ払った客によって身体を傷つけられて重度障害を負い、前途の希望を奪われた30代女性の立場を考えると、やりきれない気持ちになります。今回の訴訟で原告側は「京阪電鉄は安全確保義務を怠った」との主張により、京阪電車も訴えた形となっていますが、裁判所が酔客男性にどの程度の責任範囲を認定し損害賠償を命じるのかや、京阪電鉄による二階建て車両階段下への補助席設置について裁判所がどのような判断を下すのかが気になります。

京阪電鉄と男性に治療費や慰謝料など計約2億4千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁(長谷部幸弥裁判長)に起こしたことが6日、分かった。同日開かれた第1回口頭弁論で、同社と男性は請求棄却を求めた。

出典:同上

一義的に酔客男性が引き起こした傷害事故であるにもかかわらず「請求棄却」を求めている点が気になります。あくまで勝手な推測にすぎませんが、「俺だけが悪いのではない」とか「賠償額が高すぎる」という考えがあるのかもしれません。ただ、前途ある30代会社員女性が被った苦痛や、事故に遭わなければ得られたはずのいわゆる逸失利益などを鑑みますと、超高額であるとも思えない気がします。被害女性の立場を慮り、加害男性・京阪電鉄・被害女性が裁判所の判断のもとでうまくこの訴訟の解決に至ること、そして被害女性の回復を願っております。

 

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