相鉄線落雷ツイッター動画提供者の著作権をテレビ朝日が横取り?

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2017年10月22日、相模鉄道(相鉄線)の電車に落雷が発生し車内に煙が充満している様子を、その場に乗り合わせた乗客Aさん(鉄道・AKB48関連専門Channel! @sotetsu_akbさん)が撮影し、その動画をツイッターにアップしました。

 

それを見たテレビ朝日が乗客Aさんにツイッター上で打診し、ツイッターDM(ダイレクトメッセージ)機能を経由して相談。

その結果、乗客Aさんは映像の貸出に同意されたようで、その動画をテレビ朝日はニュース映像として使用しました。

番組の映像には視聴者名のクレジットこそありませんが、「視聴者撮影」と明記されています。

テレビ朝日がYouTube上の公式チャンネルにアップした動画

 

Aさんはツイッターに投稿した動画をYouTubeのご自身のチャンネルにもアップしました。

AさんのYouTubeチャンネルの動画

 

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ところが10月29日、Aさんは「自分の動画なのに、テレビ朝日の著作権に引っかかった」とツイートする事態になりました。

 

例えば、特ダネとして高額の報酬を提供してもらう代わりに、排他的独占契約にしたというのであれば話は別ですが、Aさんの厚意で映像をテレビ局側に提供したのであれば、どう考えても、この映像は撮影されたご本人であるAさんに映像著作権がありますし、今回の件はひどい出来事だと思います。

Aさんは、テレビ朝日以外のメディアからの打診に対して、どうぞ使ってくださいと回答していますので、どのメディアに対してもおそらく有償ではなく善意の無償提供をされていると考えられます。(※私ならギャラは幾らですか?と絶対に言いそうですw)

テレビ神奈川への返信

JCASTニュースへの返信

 

原因として考えられること

ひょっとすると、今回の事態は、テレビ朝日側が視聴者提供映像に著作権を主張しているのではなく、YouTube側による自動判定処理(例えば、再生回数やチャンネル登録者数の多いアカウントの映像を優先、あるいはアップロードしたタイミングから判断して一方を著作権者とみなし、同様のシーンがある他の映像はコピー画像であるとみなすなどの処理があるのかもしれません。あくまで私の勝手な推測ですが)でこのような状況になった可能性もあるのではないかと思います。とはいえ、もし仮にそうであったとしても、せっかく画像を提供したAさんにとってはたまったものではないはずです。

著作権に関する異議申し立てをするには、YouTube側に自分がその映像の著作権を持つということの証明や住所氏名などの個人情報も提供し、異議申立者の情報が相手側に通知される仕様となっているようです。

もし自分自身が特ダネのような映像を撮影し、それに目を付けたテレビ局やネットメディアなどが映像や音声を使わせてほしいと言ってきたとしても、どうぞどうぞと気安く提供しないほうがよさそうだなと思いました。実は私も、自身が撮影した動画をYouTubeにアップし、その動画や音声の一部を貸してほしいと申し出を受けたことがあり、快く貸した経験があります。でも、もし自動判定であったとしても、このような事態になる恐れがあるのならば、正直言って面倒です。今後は、貸出の申し出があっても断ろうかとも思っております。

いずれにしましても、いわゆるスクープ動画を撮影しそれを報道機関に提供した一般人の厚意がないがしろにされるような事態であることには変わりなく、こちらも不愉快な気持ちにさせられました。この問題が適切に早期解決されることを望みます。

※なお、この記事に埋め込ませていただいたツイートやYouTube動画は、ツイッターやYouTubeの規約に則った正規の方法にて埋め込んでおります。

 

追記

YouTubeのコンテンツIDという仕組みを調べてみました。

出典:YouTubeヘルプ>著作権と著作権管理>YouTube での著作権の管理方法>Content ID の仕組み

https://support.google.com/youtube/answer/2797370?hl=ja

著作権者は Content ID というシステムを利用して、簡単に YouTube 上の自分のコンテンツを特定し、管理することができます。

YouTube にアップロードされた動画は、コンテンツ所有者が提出したファイルのデータベースに照合され、スキャンされます。著作権者は、動画に含まれるコンテンツと自分の作品が一致した場合にどのような対処をするか決定できます。この際、該当の動画に対しては Content ID に関する申し立てが行われます。

YouTube は、一定の基準を満たすコンテンツ所有者のみに Content ID の利用資格を付与しています。コンテンツ所有者が承認を受けるには、YouTube ユーザー コミュニティによって頻繁にアップロードされるような大量コンテンツの独占的権利所有者である必要があります。

これによると、恐らくですが、テレビ朝日ぐらいの大メディアになると、コンテンツIDが付与されているはずです。コンテンツID付与チャンネルがアップした動画を基準とし、他の動画に一致するシーンがあればそれをコピーコンテンツとみなすようになっているものと考えられます。従って、今回の件においては、自動的にYouTube側がテレビ朝日側の動画(借り物)を著作権者の物とみなし、本来の動画の持ち主であるAさんの動画(本家)をコピーコンテンツとみなした可能性があります。

これらの点から考えますと、今回の件はテレビ朝日が悪いというよりも、YouTubeにおける著作権判定の仕組み上で起きたことであり、誰が悪いというものでもなさそうという印象です。

そもそも、YouTube側は同じ内容の動画が複数アップされていた場合であっても、どのチャンネルの動画が本来の持ち主かまでは判断のしようがないわけです。そこで、いったん主要チャンネルの動画を便宜的に著作権者とみなし、本来の動画所有者には異議申し立てができるようにしている模様です。但し、前述したように、異議申し立てに際して、個人情報の入力が必要となるなど、ハードルが高い点があるのも事実です。

話はいささか脱線しますが、今回の件とは別に、本来の所有者ではない赤の他人が「これは俺の動画だ」とか、複数の人々が「あの動画はパクリですよ」とYouTube側に通報したとして、その情報に基づいてYouTube側が動画を削除したり広告配信を停止するような事態が起きたら、それはそれで怖いと思います。そういった言わば本来の著作権所有者でない人からの申し出と、本来の著作権所有者の申し出を区別するために、個人情報等の入力を含むハードルを課しているのでしょう。ただ、自分の所有物ではないにもかかわらず、それが自分のものであると主張するような無法者に対し、自分の氏名などの個人情報が知られたら面倒だと考え、泣き寝入りする人もいるかもしれません。

今回の一件は、コンテンツの著作権問題の難しさを表すひとつのモデルケースだなと実感しました。

※当初、私は「まるで著作権収奪行為ではないか」とツイートしておりましたが、不見識を露呈するものですので、先程削除しました。

 

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