PKO日報隠蔽&国会虚偽答弁で稲田防衛相や最高幹部らの追及必至

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廃棄されたことになっていたはずの南スーダンPKO部隊の日報が、一転して保管されていた問題が今年3月に大きな波紋を呼びました。その際には、稲田朋美防衛相が、国会で釈明に追われましたが、辞任はしませんでした。稲田防衛相は、日報廃棄の報告は受けていなかったとし、「隠蔽体質があれば私の責任で改めていく」などと、あくまで自身はこの問題に直接関与していなかったという姿勢でした。

ところが、2月におこなわれた防衛省の緊急会議において、日報が保管されていたことを非公表とする方針を伝えられた稲田防衛相が、これを了承していたことが7月18日になって明らかになりました。

つまり、稲田防衛相は国会で虚偽答弁をしたことが明るみになった格好です。

 

南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が2月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が18日、明らかにした。防衛省・自衛隊の組織的隠蔽を容認した形になる。出典:共同通信

 https://this.kiji.is/260088924608626696?c=39546741839462401

 

なお、PKO日報問題に関しては、今年3月に問題が明るみになった際に、メディアがその内容を詳しく解説しています。その中には、幹部自衛官であるいわゆる制服組トップのコメントも載っています。

自衛隊トップ 河野統合幕僚長
「隠蔽というものは、組織にとって致命的打撃になる。
陸上自衛隊にあるとされている『日報』確認したことはない。」

 

陸上自衛隊トップ 岡部陸上幕僚長
「事態については真摯(しんし)に受け止める。
“逃げ”ととられてしかたないかもしれないが、いまコメントは控えさせてほしい。」

 

出典:NHK http://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2017/03/0316.html

 

河野統幕長は「私自身は陸自にあるとされる日報を確認したことはない」と述べた上で、「深刻に受け止めなければならない」と強調した。

 

岡部俊哉陸上幕僚長も同日記者会見し、「特別防衛監察に全面的に協力する」と述べる一方で、「私自身も監察の対象で、コメントを差し控える」とし、事実関係について言及することを避けた。

 

出典:時事通信 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031601111&g=soc

緊急会議に出席していた「防衛省最高幹部」が誰なのかは記事では報じられていませんが、もしその緊急会議の出席者として、制服組トップである河野幕僚長、あるいは岡部陸上幕僚長が参加していたとすれば、「組織的隠蔽は大問題」という姿勢を見せつつ、実際には、日報が保管されていた事実を隠蔽する方針に加担していた疑いがあるということになります。

稲田大臣が、今回新たに明るみになった「日報を非公表とすることを了承していた疑惑」について、「そのような事実はない」と反論していることに関しては、「文民統制の原則に反して制服組が暴走した」可能性をも示唆するものです。もしも文民統制の原則が守られていなかったとすれば、これはこれで異常すぎる事態です。また、会議には、いわゆる背広組トップである防衛事務次官も出席していたとの報道があり、日報を非公表とする意向が制服組から背広組に対して相談あるいは伝達されていた可能性もあります。もしその上で日報の存在を明らかにしなかったのだとすれば、制服組の暴走を背広組が適切に統制できていないばかりか、隠蔽に加担したということにもなります。あるいは、制服組は日報が見つかったことを背広組に伝えたものの、世論の反発を警戒して背広組が握り潰した可能性も考えられなくもないです。

南スーダンPKOをめぐっては、現地で起きた「戦闘」を稲田防衛相は「衝突」と言い換えて、あくまで戦場ではないという姿勢に終始しました。これはまさに詭弁と言うほかありません。現地でのPKO活動の日々を綴った日報は、現地の治安状況や危険性について正確に把握し、的確な作戦遂行のための資料とするだけでなく、それを国民に開示することが求められます。なぜならば、現地の情報を国民に正確に伝えることによって、「自衛隊員が、戦闘行為の起きている危険地帯で、生命の危険と隣り合わせで他国の平和維持活動を遂行すること」、そして新たな任務として付与された「駆け付け警護」の是非を問い続ける必要があるからです。

その極めて重要な資料となるPKO日報を、防衛省幹部や自衛隊幹部、そして防衛大臣らが国民に隠し、すっとぼけていたとすれば、自衛隊員の命をあまりにも軽視していると言わざるをえません。

稲田防衛相は、8月上旬に予定されている内閣改造による退任を待たずに、大臣職を即座に解かれるべきだと思います。あわせて、隠蔽疑惑や虚偽答弁の全容解明のために、稲田防衛相の国会での証人喚問が必須です。また、組織的隠蔽に関与した疑いのある制服組トップ、あるいは背広組の防衛省高級官僚の証人喚問も必要だと思います。この問題をうやむやにすることは許されません。

そして今回、このような悪質な隠蔽問題や国会虚偽答弁疑惑が再び浮上した以上は、やはり自衛隊が海外において戦闘行為に巻き込まれる、あるいは戦闘行為をおこなうことについて、時計の針を巻き戻してでも議論のやり直しが必要だと思います。

なお、南スーダンPKO活動をはじめ、世界各地で平和維持活動に取り組む自衛隊員や現地の人々の写真が、陸上自衛隊のウェブサイトにて多数公開されています(下記画像は全て南スーダンPKOの写真です)。

http://www.mod.go.jp/gsdf/fan/photo/international/index.html

現地に派遣された隊員の方々は、本当に激務ご苦労さまです。当然ながら、派遣されるのは生身の人間であり、彼らは機械やロボットではありません。稲田防衛相や幕僚幹部、そして防衛省の高級官僚たちは、異国の地に派遣される隊員の方々の苦労、そして安全確保に関して、思いが不足しているのではないでしょうか。

 

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