新快速として活躍した117系が「新たな長距離列車」にリニューアル

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 JR西日本がトワイライトエクスプレス瑞風の運行を正式に開始しました。が、「走る超豪華ホテル」と呼ばれるだけあって利用料金が高額なことから、これに乗車して旅を堪能できるのは主に富裕層を想定したものとなっています。これに中・低所得層(=私です)が乗るには敷居の高く、とてつもなくスペシャルな列車と言えます。

これはJR西日本に限ったことではなく、超豪華トレインの元祖であるJR九州の「ななつ星in九州」でもそうですし、JR東日本の「トランスイート四季島」でもそうですが、最上級の旅行体験を提供するというのが狙いですから、利用者をわざと選別しているとも言えるわけです。まぁ、高額な旅費がドレスコードのようなものですね。

であれば、私も含め富裕層ではない凡人は指をくわえて見てなきゃいけないのかということになりますが、少なくとも数十万円はかかる旅費を「高いなぁ。できれば5万円ぐらい、高くても10万円以下なら乗るんだけどなぁ」などとケチなことを思ってる時点で、恐らく今後乗れることは永遠に無いんだろうなと思います(涙)

 

よりリーズナブルな「新たな長距離列車」をJR西日本が計画

一方、JR西日本は、トワイライトエクスプレス瑞風よりも、よりリーズナブルに旅を堪能できる長距離列車の運行を計画しているとのことです。ターゲットはシニア層やインバウンド層を想定しているとのことで、その列車用として、117系電車を改造した車両を充当するというリリースが出ています。

JR西日本のリリース内容

 

新たな長距離列車の導入
昨年11月末にお知らせした「新たな長距離列車」の導入に向けた検討状況について、説明します。

【列車のコンセプト】
鉄道の強みを活かした、地域と一体となった観光振興推進策の一環として、「気軽に」、「自由に」ご利用いただける「新たな長距離列車」の導入を検討しています。シニア世代をはじめとする幅広い世代や訪日観光の方々にも、西日本各地の魅力に触れていただきたいと考えています。

コンセプトのキーワードとしては、「多様性」、「カジュアル」、「くつろぎ」を考えています。まず「多様性」については、さまざまな旅のスタイルに対応できる複数の種類の座席を設置するとともに、時季によって複数の区間を運行する予定です。次に「カジュアル」ですが、リーズナブルな価格設定にして気軽に鉄道の旅を楽しんでいただけるようにします。さらに「くつろぎ」ですが、車内でゆったりと過ごしていただけるように、快適性の高い設備と、お客様が歓談や食事で自由に使っていただけるフリースペースを用意する予定です。リーズナブルな価格設定としながらも高い快適性を提供して、「カジュアル」と「くつろぎ」の両立をめざします。

【列車の概要】
訪日観光の方々のご利用も意識して、2020年の東京オリンピック前までには運行を開始できるように準備を進めていきます。運行区間については、京阪神と西日本エリアの複数の観光地を結ぶことを考えています。また、沿線各地の魅力を堪能していただけるように、始発駅や途中駅において、その土地ならではの食べ物やお酒などをお買い求めいただけることも検討していきます。

出典:JR西日本

列車の概要

列車イメージ出典:JR西日本

 

 

 

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私鉄各社との競争に勝ち抜くために投入された117系

117系といえば、京阪神における私鉄各社との熾烈な競争に勝ち抜くために国鉄が1979年に投入した車両です。スタイリッシュな外観と、転換式クロスシートや木目調の内装を採用した、当時としては豪華な印象を醸し出す車両でした。特別料金不要で乗れる特急として絶大な人気を誇った阪急6300系や、カーブ区間の多さゆえに速達性には劣るものの付加価値で勝負する京阪のテレビカーなどに対抗できる車両として、「シティライナー」の愛称で新快速として活躍しました。

また1982年からは東海地区の新快速・快速車両としても運用されました。ただ、ドア枚数の少なさゆえに都市部でのラッシュに対応しづらく、大都市圏での主力運用に就いた期間は短めです。大都市圏での運用を後継車種に譲ってからは和歌山地区や岡山地区、東海地区などの郊外運用で活躍。なお、JR東海での運用は2014年に終了しています。

JR東海で普通列車として運用された117系(東海道本線・近江長岡駅・2010年)

京阪神で新快速としてアイボリー/こげ茶のボディカラーで運用されていた頃は、私はまだガキんちょ~青二才でしたが、何回も乗りました。ちなみに、上記のJR東海運用にて久しぶりに117系に再会したときには「あれ~、117系って、こんなに通路が長かったっけ!?」と思いましたね。確かに、ラッシュ時の乗り降りには時間が掛かりますね。

 

「新たな長距離列車」を手掛けるのは「雪月花」を手掛けた建築家

この117系ベースの「新たな長距離列車」を手掛けるのは、建築家・デザイナーの川西康之さん。川西さんは1976年生まれ。第三セクターや私鉄のロゴデザインや建築等で実績のある気鋭の人物です。特に、えちごトキめき鉄道の観光列車「雪月花」を手掛けたほか、土佐くろしお鉄道の中村駅のリノベーション(2010年)を手掛けた際には、予算わずか3000万円という制約の中で、地元産の四万十ヒノキを使った風情ゆたかな駅に大胆に生まれ変わらせたそうです。

中村駅リニューアルを紹介するブックレット

 

直流電化区間のみという割り切り

117系ベースということで、この「新たな長距離列車」は電化路線、しかも直流1500V区間のみの運行と割り切る形になるものと考えられます。このあたりは、ディーゼルエンジンの騒音(私のような鉄道ファンには非常に心地良いサウンドですが)がありつつも、非電化区間・電化区間を問わずに幅広く乗り入れができるよう、気動車方式の寝台列車としたトワイライトエクスプレス瑞風との差別箇所と言えるかもしれません。

JR西日本管轄の電化は北陸地区を除き直流(敦賀以西)ですので、この117系ベースの長距離列車は北陸へのツアーは想定外となっているものと考えられます。リリースにも「京阪神と西日本エリアの複数の観光地を結ぶ」と書かれてますね。

(419系ベースなら何処へでも…とか妄想しましたが、もう廃系列になってますからね…)

料金は7000~23000円が「ひとつの物差し」(JR西日本社長談)

肝心の料金ですが、朝日新聞デジタル(6/20)の報道によると、JR西日本の来島社長のコメントして、

JR西の来島(きじま)達夫社長は20日の記者会見で、「地域と一体となり、瑞風とは別の気軽に乗れる列車にしたい」と述べた。料金については、「一つの物差し」として大阪―出雲市駅間(約7千~約2万3千円)を例に挙げた。

とのことです。

トワイライトエクスプレス瑞風の料金(1人25万円~125万円)と比べると、JR西日本の社長が「ひとつの物差し」として例示した117系ベース長距離列車の目安料金(7000円~23000円)は、めちゃくちゃ安く見えますね。まぁ、松・竹・梅で比べたら、松と梅ほどの差があるのだとは思いますが、誰もが超一流ホテルやレストランのようなサービスを求めているわけではありませんし、シティホテルや普通のレストランであっても、丁寧な接客対応やサービスによって、十分に満足を提供できるわけですから。私は、トワイライトエクスプレス瑞風よりも、こちらのほうが興味ありますね(負け惜しみかも…)。

どんなデザインで登場するのか今から楽しみ

肝心のデザインに関しては、上記リリースを見た限り、ちょっとぼやかした感じがして、あまりピンときませんね。というか、パッと見た感じでは117系のシルエットそのままのようにも見えます。実車では117系のイメージを残すのか、あるいは117系とは全く似ても似つかぬデザインにイメチェンするのかは分かりませんが、どのような形で我々の前に登場するのか、今から楽しみです。デビューは2020年予定とのことです。

 

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