JR福知山線(宝塚線)脱線転覆事故から12年・安全運行と列車遅延

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JR西日本が2005年4月25日に起こした福知山線(宝塚線)の脱線転覆事故は、あまりに衝撃的でした。

あれから今日で12年です。この事故では、乗客106名・運転士1名、合計107名の尊い命が奪われました。事故で重傷を負った方やPTSDを患って苦しんでいる方も大勢いらっしゃいます。

宝塚線事故から12年 遺族が献花「事故風化させない」

乗客106人と運転士が亡くなり、562人が負傷したJR宝塚線(福知山線)脱線事故は25日、発生から12年がたった。遺族らは兵庫県尼崎市の現場に献花に訪れ、静かに手を合わせた。
事故発生時刻に合わせ、電車が追悼の警笛を鳴らしながら現場を通過すると、集まった遺族やJR西日本の社員らが頭を下げた。JR西は、電車が衝突したマンションの上層部を取り壊し、階段状に保存する工事を進めている。来年夏ごろまでに周辺を広場として整備する方針。

現場では、2両目に乗っていて一時意識不明の重体となった会社員の松丸直也さん(39)=大阪市西区=が、妻(38)と子ども2人とともに献花した。長女は昨年5月に生まれたばかり。「改めて命の大切さを実感した。事故を風化させず、子どもたちに伝えていかなければと思った」

近くのホールでは、JR西主催の追悼慰霊式があり、遺族や負傷者ら約900人が黙禱(もくとう)を捧げた。同社の来島達夫社長は「皆様が歩み続けられたはずの12年という道のり、何ものにも代えがたい大切なものを奪い去ってしまった。ただただ、おわびを申し上げるしかない」と改めて謝罪した。整備が進む現場については「私どもが安全を誓い続ける場として長く大切にお守りしていく」と述べた。

出典:朝日新聞2017年4月25日 http://www.asahi.com/articles/ASK4P5GJ4K4PPTIL027.html

 

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日勤教育というブラック体質・安全性軽視の姿勢

この福知山線の大事故をめぐっては、乗務員への「日勤教育」といった精神的に追い込む懲罰的指導といったブラック体質や、JR西日本が速度向上や利便性向上を図るあまり、安全性を軽視しているとみなされても仕方がないような姿勢が浮き彫りになりました。事故現場の手前に設置されていたATS(列車自動停止装置)の型が最新のものではない安全性の低いものだったという点も問題視されました。

京阪神地区は昔から、ライバルである阪急・阪神・京阪など私鉄各社との乗客獲得競争が熾烈でした。その象徴ともいえるのが、JR三ノ宮駅に掲げられていた「大阪へ19分」「京都へ47分」の看板です。事故を契機に撤去されましたが、今でも印象に残っています。

スピードアップやサービス向上に取り組んできた姿勢は一定の評価ができるものの、やはり運行の安全に勝る顧客サービスはありません。

遅延に寛容でない社会の縮図とも言える

以前、乗客からの苦情で取り乱した車掌が、高架駅から飛び降りて重傷を負うというショッキングな出来事がありました。鉄道運行、とりわけ我が国においては、定時運行が当たり前とされ、少しでも遅れると、乗客から苦情が来るという側面もあります。私も駅の係員や電車の車掌に文句を言っている乗客を何度も見たことがあります。「文句を言っても仕方ないんだよな」と思います。でも、電車の遅れによって困る人の心情も分かるんですよね。私も急いでいるときに電車が遅れると焦りますし、イライラするときもありますから。

こういった遅延をなくすために、鉄道会社では秒単位での運行管理をおこなっています。停車時にドアを開けている時間まで標準的な秒数が定められ、駅での停車のたびに標準的な秒数をオーバーすると、それが積もり積もって分単位の遅延に繋がることにもなります。

ですので、私たちができる身近な定時運行への協力として、「整列乗車する」「ドア付近に乗車中の場合は、いったん電車の外に降りて、奥の乗客がスムーズに出られるようにする」「駆け込み乗車はしない」といったことを心掛けて実践することで、遅延を少なくすることができます。

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一方、電車が遅延してイライラする理由のひとつとして、「会社に遅れる」というものが挙げられると思います。電車が遅れたことが遅刻の理由として通らない、「例えばラッシュ時の鉄道は遅れるものだから、余裕をもって30分前の電車に乗っていれば間に合ったはずだ」といった説教を勤務先や上司等からされたことがある人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。確かにそれも一理あって、私もそれは普段から意識し、余裕をもって乗るように心掛けています。ただ、それも程度問題だと思うんです。

わずかな遅れも許さない潔癖社会が招いた悲しい事故とも言えるのではないかと思います。別の言い方をすれば、日本社会のこのような潔癖性は、「一億総ブラック社会」と呼べるのかもしれません。

わずかな遅れで「申し訳ありません」とアナウンスする必要性に疑問

今の鉄道会社は、わずか1分とか3分とか遅れただけで、「本日は列車が遅れましてご迷惑をおかけしました」というアナウンスは当たり前で、鉄道会社によっては「申し訳ありません」と車内アナウンスで繰り返し述べている車掌さんもいらっしゃいます。例えばJR九州などがそうですね。

列車の遅れの原因が鉄道会社の運転ミスや職務怠慢などであればそれは改めていただきたいですが、先述したような乗客の乗り降りの際の協力の有無や程度によっても、定時運行できるかどうかは左右されるわけですから、「申し訳ありません」は言い過ぎではないのかと思ってみたりもします。あらかじめ謝っておくことで苦情件数を減らす効果があるのかもしれませんが…。

 

安全第一運行を切に願うとともに乗客も温かい目で鉄道を支えていくことが必要

いずれにしましても、鉄道会社には、安全第一での運行をお願いしたいと切に願います。そして、私たち乗客の側も、鉄道会社が安全運行を遂行できるようにするためには、厳しい目を注ぐだけではダメで、温かい目と心遣いで支えていく必要があると感じます。

亡くなられた107人の乗客・乗務員の皆様のご冥福をお祈り申し上げます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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